2006年02月05日

柴田よしき「ラスト・レース 1986冬物語」

寝る暇もない…と言いつつ、年明けからは読書、ちゃんと復活しています。通勤時、トイレ(!)、お風呂の中。で、久々の柴田よしき作品、「ラスト・レース 1986冬物語」読了です。

1986年とは、今から20年も前のこと。あのバブルの始まりのころのことです。前にも書いたように、私はすでに結婚していて、しかも就職して間もない夫のわずかなお給料でやりくりしていたころなので、バブル景気の恩恵を受けたおぼえはこれっぽっちもありません。強いていうなら、今よりもずっと高かった物価に苦しめられていた記憶ばかり。

でも、もしも私が結婚という道を選ばずに、そのまま旅行会社のOLとして働いていたとしたら、主人公と同じような気持ちだっただろうなと思いながら読みました。奇しくも私が今通っている外苑前付近の街の様子が描かれていたりして、そのあたりも興味深かったです。

ある晩、二人組みの若い男に押し入られ、レイプの被害にあうという穏やかでない幕開けですが、その後このうちの一人と暮らしていくことになるなど、柴田作品ならではのジェンダーの考え方や男の身勝手さなどが、ミステリーとしての筋書きとは違った流れの中で書き込まれています。自閉症に対する世間の認識の誤りなど、この作品が訴えようとしていることが多岐にわたる分、トリックのようなものには、若干の甘さが感じられますが、読み応えはありました。

ここのところご無沙汰だった柴田よしきさんの作品でしたが、やっぱり好きだなあと再認識しました。彼女の最近のブログを読むと、相変わらず締め切りに追われていて、かなり大変そうな様子。睡眠障害なども抱えているようですが、それでも中学生の息子さんのために毎日丁寧にお弁当を作り、手作りのパンを焼く毎日に、私もがんばらなければと思いを新たにします(仕事が煮詰まっているときには、必ずだんなさんが夕飯を作っているところもすごいなあと思います)

参考までに…
【柴田よしきの日記】http://blog.livedoor.jp/c_nagatsu/

ラスト・レース―1986冬物語


kyoko0707k at 01:40│Comments(0)TrackBack(0) 本のこと 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔