2005年11月18日

浅田次郎「地下鉄(メトロ)に乗って」

「椿山課長の7日間」も泣かせる話でしたが、この「地下鉄(メトロ)に乗って」も、こらえてもこらえてもこみあげるものがあり、満員電車の中で変に思われないかとあせったくらい。浅田次郎の泣かせのツボには脱帽です。

地下鉄(銀座線)に乗るたびに、30年も前の世界に、そしてさらに昔の世界にタイムスリップしてしまう主人公。自殺した兄と、ずっと反発し続けた父の生き様をまざまざと見ることになった主人公の心の揺れが見事に描かれています。

仕掛けがいっぱいの話なので、詳しく語るとネタバレになってしまうので、涙のツボを書けないのが残念ですが、本当にたくさんのことを考えさせられる小説でした。

自殺した兄が生きているときにまで遡ったのだから、主人公はその自殺を防げたのか?……否。
「過去」にふれてしまった主人公をめぐる「今」はどのように変化した?結末はハッピーエンド?……これまた否。

結末は切なく苦しいです。でも、納得できる気もします。
今、銀座線に乗って外苑前まで通勤しているので、余計に感情移入してしまったのかもしれません。

電車の中で読むのは危険なので、寝る前などにご自宅で読むことをおすすめします。泣くのをこらえると感動が半減してしまいますもの。


*どうやら、2006年秋公開で映画化されるようですね。映像でも観てみたいような、このまま自分の世界を大切にしておきたいような、複雑な気持ちです。

地下鉄(メトロ)に乗って


kyoko0707k at 02:03│Comments(0)TrackBack(0) 本のこと 

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