2005年10月24日

稲葉稔「裏店とんぼ〜研ぎ師 人情始末」

久々の時代小説を堪能し、今まであまり読まずにいたことを後悔しています。

稲葉稔さんの「裏店とんぼ〜研ぎ師 人情始末」は、そのタイトルからもわかるように、貧乏長屋で研ぎ師をして生計をたてている荒金菊之助が主人公。直心影流の使い手で、かつては八王子千人同心だったけれど、今は浪人となっています。

でね、この菊之助が人情に厚いといえば聞こえがいいけれど、少々おせっかいのところもあり、父を亡くした子どもの力になろうとすることから話が始まります。

盗賊一味たちとの殺陣の場面も迫力があっていいけれど、この作品の楽しさや魅力は、江戸の下町の庶民の食べ物がいろいろと出てくることかもしれません。それに地名が、私が日ごろ打ち合わせなどでよく出かけるところが多いのも、時代小説なのに親近感がわいて楽しいんですよね。冒頭の甘い冷や水と白玉や、馬喰町3丁目の小さな鰻屋の場面、箱崎橋をわたって深川を目指す…などなど。

一時は悪人の仲間に入っていた三蔵が改心して活躍したり、書道の達人のお志津さんが長屋に引っ越してきたりと、これからが楽しみな伏線もいろいろ。早く続きを書いてくださーい!とお願いしたい気持ちです。

この作品をシリーズ化して、何冊か出版された暁には、ぜひぜひ映像でも見たいなあと思いました。映画というよりはね、毎週、ほのぼのとした人情話を楽しませてくれるテレビの方がお似合いかなと。菊之助は誰がいいかな?志津さんにぴったりなのは誰?と考えながら読むのもちょっといいじゃないですか。

稲葉先生、続きをどうぞよろしくお願いします!

裏店とんぼ―研ぎ師人情始末


kyoko0707k at 14:42│Comments(2)TrackBack(1) 本のこと 

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1. 八王子千人同心  [ 高尾天狗の山歩記(やまあるき) ]   2005年11月03日 21:33
千人同心の基本的な性格は、緊急時の対応にあるようです。大きな役目は、先ほども触れたように八王子城落城後の治安維持、いわば落城により不安定となっている人心を安定させることであったようです。しかし、実際には、極めて軍事的に使われたようです。天正19年(15...

この記事へのコメント

1. Posted by 荒金菊之助   2005年10月25日 09:45
ご購読ありがとうございます。
横山秀蔵も喜んでいました。
また、来ます。
2. Posted by sally   2005年10月25日 23:49
>>菊之助さん、秀蔵さん

登場人物、直々のコメント、ありがとうございます。
時代劇好きの父にも、この本を紹介するつもりです。
これから、ますますご活躍くださいね。
稲葉先生にどうぞよろしく♪

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