2005年10月01日

山本文緒「プラナリア」

山本文緒さんの直木賞受賞作「プラナリア」が、ようやく文庫化されたので、先日の「半落ち」同様、勢い込んで購入して、一気に読みました。

働かない人(=無職)の心模様が5つの短編の中に見事に描き出されていて、文緒さんの作品を読むといつも感じるように、私の心をひりひりとさせる作品集でした。今、私は働いているし、やたらと忙しがっている…だけど、この作品の中の主人公たちが私とはまったく別世界の住人かというと決してそうではないんですよね。私の中にも彼女(彼)と同じ部分を少なからず持っている。そのことをまざまざと見せつけられるというか、突きつけられると言ったらいいのか。

どの主人公たちの逸話も、それぞれの心の一端を切り取って終わっていて、決して答えが出されていません。その後、どうしたかを読み手に委ねているので余韻が残ります。もし、私がこんな小説を書けたとして、こんなふうに鮮やかにすっぱり終われないだろうな…などと、分不相応なことまで考えてしまいました。文緒さん、さすがです。やはり直木賞受賞作だけあるなと思いました。

プラナリア


kyoko0707k at 14:56│Comments(0)TrackBack(2) 本のこと 

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1. 山本文緒 / プラナリア  [ Hammock waltz ]   2005年11月28日 00:16
直木賞を受賞した山本文緒の作品が文庫化されたので読んでみました。 (好きな作家の作品もなかなか単行本の時には買わずに、文庫になってから読んでる) 表題作を含む5品が収録されていて、全て「職/無職」がテーマになっています。 そして全編通して山本文緒作品らし...
2. 山本文緒 / プラナリア  [ Hammock waltz ]   2005年11月28日 00:17
直木賞を受賞した山本文緒の作品が文庫化されたので読んでみました。 (好きな作家の作品もなかなか単行本の時には買わずに、文庫になってから読んでる) 表題作を含む5品が収録されていて、全て「職/無職」がテーマになっています。 そして全編通して山本文緒作品らし...

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