2005年09月28日

横山秀夫「半落ち」

長い間ベストセラーのランキングを飾っていた、横山秀夫氏の「半落ち」がようやく文庫で登場したので勇んで購入。期待に胸をふくらませて読みました。

結論からいうと、うーん、期待し過ぎだったか…と。

「半落ち」とは、被疑者が取り調べで容疑のすべて―事件を引き起こした理由や背景から、自白に至るまで―を明かした「完落ち」に対して、謎の部分が残っている状態のことを言うのですが、この謎の部分を解き明かしつつ、被疑者の取調べに当たった刑事や検事、新聞記者や弁護士など、被疑者を取り巻く人々の人生模様が哀歓を持って語られるわけです。

で、私にはこの謎の部分が、本を半分程度読んだ段階で、ほぼわかってしまったんですね。最後の話のまとめ方は、なるほどと納得のいくものだったし、謎がわかっていて読んでいても、やっぱり胸にじーんとくるものがあって涙があふれたのだけれど。

でもでも、あとひとひねり欲しかったなと。
それに嘱託殺人とはいえ、アルツハイマーだったとはいえ、妻を扼殺した梶聡一郎のことを美化しすぎではないかと。

私が素直じゃなさ過ぎるのでしょうか。誰か「半落ち」を読んだ方、感想を教えてください。
半落ち


kyoko0707k at 22:58│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by mari   2005年09月29日 18:26
こんにちは。
私も以前読んだのですが、梶聡一郎についてはsallyさんと同じような印象だったのを覚えています。
良い悪いではなく、男性作家の視点だなとも思いました。たぶん女性作家なら、違う描き方をするのではないかと・・。
もちろん女性の作家さんにもそれぞれのスタンスがあるわけですし、この本が横山秀夫氏にしか生み出せなかった力作であることも確かなのですが。。。
2. Posted by sally   2005年09月30日 02:47
やっぱりmariさんは、すでに読んでいたのですね!
そうか、男性の視点だからなんですね、この妙な違和感は。
「●●の章」として、章ごとに語り手となった人たちも、すべて男性でしたものね。
それと、一つ言えるのは、前評判なしにこの作品にぶつかっていたら、もっと感動が深かったかも…ということかな、私の場合。

あ、mariさんのブログに紹介されていた、平野啓一郎氏の作品、私も読んでみたくなりました。

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