2005年08月31日

岩明均「寄生獣―完全版(8)」

「寄生獣」というコミックを読んだことがありますか?

この作品が発表されてからすでに10年以上も経って入るので、今さら…と思われる人も多いかもしれません。ですが、私が「寄生獣」に出会ったのは、2〜3か月前のこと。長男が、ネットオークションで、ずっと欲しかったフィギュアを手に入れたというので、見せてもらったんです。本人は満面の笑顔だけれど、そのフィギュアはわずか10センチばかりの細長い指のような形で、先端に目玉のおやじみたいに、目がついている摩訶不思議なもの。

思わず「何これ?」と私。「ミギーっていうんだよ。この本を読んだら絶対欲しくなるから。この気持ちがわかるから」と言って差し出したのが「寄生獣―完全版(1)」でした。

パラパラめくると、主人公の片腕がぐーんと伸びて、例の目玉のお化けみたいなのがいたり、やたらと猟奇的な場面ばかりが出てきて、思わず拒否反応を示したのですが、息子いわく「生まれてから一番感動した作品だから。大人だってそう言ってる人が多いんだから、とにかく読んでみてよ」と。

そこまで言われて読まないわけにいかず…。結局一気にのめりこんだのですが、完全版全8巻のうち、我が家には7巻までしかなく(息子は完全版じゃないものを誰かに借りて読んだことがあるらしい)、「早く第8巻買ってきて〜」と頼んでいたのですが、一時市場ではかなり品薄だったようです(Amazonで探しても、8巻は在庫なしでした)。それで、昨日ようやく「ほら」と息子が手に入れてきて、結末を知ることができたってわけです。

人間に寄生しなければ生きていけない知的生命体。食料は人間。そんな寄生獣の中で主人公シンイチの右腕に寄生したミギーは、やがてシンイチにとって親友のような存在になります。

残虐な描写は多いけれど、それもある意味では仕方のないことかもしれません。自然、地球、人間そういうものの真実や大切さ、また、環境破壊の恐ろしさ。この作品の中には大切なキーワードがいくつも隠されていて、さまざまな問いかけをしてきます。

最後にミギーはシンイチの右腕と一体化します。つまり、「寄生」から「共生」へと変わっていったということでしょう。でも、去っていったわけではないから、何かがあればひょいと顔を出すこともある……他の凶暴な寄生獣との決着のつけ方も、ラストシーンも後味のよさも素晴らしかったと思います。

タイトルの不気味さや、表紙の絵のグロテスクな様子に躊躇してしまっていた方がもしもいたとしたら、ぜひ一読をおすすめします。

あ…私もミギーのフィギュア、一つ欲しいです。

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「寄生獣」、ハリウッドで映画化されるんですね。
先月、この話題がニュースで流れたらしく…ちょっとびっくりでした。
あの、残虐なシーン、どうするんでしょ。観たくないかも。

寄生獣―完全版 (8)


kyoko0707k at 01:58│Comments(4)TrackBack(0) 本のこと 

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この記事へのコメント

1. Posted by はたはた   2005年08月31日 08:38
寄生獣おもしろいですよね!

私も読むのが遅くて、確か一昨年だったかな、読みました。
ちょうど私が読んでる頃に、ミギーのフィギヤを本屋さんで見て、可愛い!と思いました(購入はしなかったのだけれど)。

最近すごいと思う漫画は「シガテラ」「21世紀少年」「ホムンクルス」です。
2. Posted by sally   2005年08月31日 08:57
>はたはたさん、お久しぶりです!

はは〜、やっぱり読んでましたか。私、かなり遅かったですね。でも、よかった、読むことができて。
「シガテラ」「21世紀少年」「ホムンクルス」…いずれもわからずで、ごめんなさい。活字だけじゃなくて、漫画だっていい作品があったら積極的に読もうって思いました。

今度、読んだら、ここに感想アップすることにしますので、どうぞよろしく。また、教えてくださいね。
3. Posted by mari   2005年08月31日 17:31
こんにちは!
息子さんと本の話、いいですね〜。うらやましい。
だいぶ前のことですが、親が入院したとき見舞いに本の差し入れをしたら、面白かったといわれて(どうやらお世辞や気遣いではないらしい)、何となく嬉しかったのを覚えています。
わたしもはやく息子とそんなことをしてみたいと思いつつ、今は絵本の読み聞かせの毎日です。
4. Posted by sally   2005年09月01日 02:46
>mariさん、読み聞かせをしていれば、きっと本好きになりますって!

私が子育てで誇れることと言ったら、本好きな子に育ったことくらいかも。でも、好きな本の傾向は全く違うんですよね。息子は、とにかくスティーブン・キングが大好き。「読め読め」と言われて読んでみても、私はたいてい上巻でギブアップしてしまって。でも、「グリーン・マイル」や「スタンド・バイ・ミー」や「死のロングウォーク」、「ハイスクール・パニック」なんかは好きな作品です。

学校のことなんか話してくれなくても、成績がふるわなくても、本やテレビのニュースのことなんかを話題にして真剣に話ができるなら、これで十分…そう思って接してきました。

うん、やっぱりこれって、幸せってことですね(再確認)。

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