2005年08月29日

池永陽「コンビニ・ララバイ」

池永陽氏の作品は初めてです。夏は出版社が文庫に力を入れていて、おすすめの本の紹介が書かれた冊子を配布していますよね。その中の、集英社文庫「ナツイチ2005」をめくっていて、心にひっかかったのがこの「コンビニ・ララバイ」でした。

舞台は「ミユキマート」という名のコンビニで、6歳の我が子と妻を相次いで亡くした主人公をめぐる人間模様が、章ごとに語り手を変えて綴られていきます。

「本の雑誌が選ぶ2002年、上半期ベスト1」とのこと。解説で北上次郎さんが「重松清と浅田次郎を足して2で割ったような作品」と評していましたが、私に言わせると内海隆一郎さんの作品を辛口にして生々しくした感じ…でしょうか。

一つ気になるのが女性の描き方がどこか類型的というか、「男性の視点」になってしまっていること。別に生々しくてかまわないのだけれど、微妙にずれているような気がしてなりません。その点が少し残念だったけれど、読後感は決して悪くなく、コンビニという設定もよかったと思います。

多作の作家ではないようですが、この作品のようなものをもっといっぱい書いてくれたらいいなあと。今後、池永作品を追いかけてみたいなあと思わせる出会いの1冊でした。
コンビニ・ララバイ


kyoko0707k at 16:10│Comments(0)TrackBack(0) 本のこと 

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