2005年08月12日

柴田よしき「猫と魚、あたしと恋」

8月11日の2冊目は、同じく柴田よしき作品の「猫と魚、あたしと恋」。女性の“怖さ”や“もろさ”そして“切なさ”をあぶりだすような、少し痛い短編が9編。

NHKドラマの「七色のおばんざい」の原作が、「ふたたびの虹」のほかに「猫と魚、あたしと恋」というふうになっていたので、どの話かなと思いながら読んでいたら、『花のゆりかご』でした。テレビでは2週目あたりにやっていたエピソードだったと思います。でも、原作のままではなくて、ふたたびの虹の話とうまくミックスさせて、より感動的な話にまとめられていましたっけ。

本の裏表紙には「普通に壊れてしまうあたしたち」と書かれていたけれど、この作品に描かれていた女性たちは決して壊れてなんていなくて、どこにでもいるごく当たり前の女の子たちだったような気がします。

「この中にあなたはいましたか? もしいなかったら今度はあなたを描かせてくださいね」という柴田よしきさんのあとがきが、最後にダメ押しのように心にズキンと響きました。

うーん、それにしても柴田さんが描く女性像は容赦ないです。少しオブラートに包んで表現してほしいと思うくらいに赤裸々です。でも、だからこそ、自分でも気づかないで…というより、見つめようとしないで目をそむけてきた、自分自身の本当の姿みたいなものを発見させてくれるのでしょうね。

猫と魚、あたしと恋


kyoko0707k at 01:28│Comments(2)TrackBack(0) 本のこと 

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この記事へのコメント

1. Posted by mari   2005年08月12日 08:29
柴田作品三昧ですね!
私はこの短編集では「化粧」が印象深かったです。女性にとって「身の回りに構うこと」「仕事をもつこと」の意味を、きれいごとでなく描いているのが魅力的でした。
世の中はお盆休みですが、お忙しそうですね。お体に気をつけて。
2. Posted by sally   2005年08月12日 17:46
「化粧」は、読後感がそんなに悪くなかったですね。特にラストの場面は、とても温かいもので満ちていたと思います。

それにしても、この本を男性が読むとどんなふうに思うんでしょうね。女性・男性双方の身勝手さのようなものが、赤裸々に描かれていて、見たくないものを突きつけられたような気持ちになるかもしれないなと。

…いろいろと考えさせられる作品でありました。

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